Q&A
法令・制度のご紹介
相談機関のご紹介
行政の取組
裁判例

スタートアップ労働条件

アルバイトを雇う際、始める前に知っておきたい ポイント

しっかり学ぼう 労働条件

動画で学ぼう!労働条件

アンケートにお答えください

凡例

法令の略記
・労基法:労働基準法
・労基則:労働基準法施行規則
・年少則:年少者労働基準規則
・最賃法:最低賃金法
・労契法:労働契約法
・賃確法:
  賃金の支払の確保等に関する法律
・安衛法:労働安全衛生法
条文等の表記
・法令略記後の数字:該当条文番号
・法令略記後の○囲みの数字:
  該当項番号
・法令略記後の( )囲みの漢数字:
  該当号番号
例:労基法12①(二):
  労働基準法第12条第1項第2号
通達の表記
・発基:大臣又は厚生労働事務次官名で発する労働基準局関係の通達
・基発:労働基準局長名で発する通達
・基収:労働基準局長が疑義に答えて発する通達
・婦発:婦人局長(現 雇用均等・児童家庭局長)名で発する通達

Q&A

その他

Q

自宅からアルバイト先の会社に向かう途中、最寄り駅の階段で誤って転倒し足を骨折してしまいました。会社の上司からは、仕事中のケガではないので、労災補償の対象にはならないと言われましたが、この場合、自分の健康保険で治療しなければならないのですか?

A

労災保険は、正社員、アルバイト、パートタイマーなど名称や働き方にかかわらず、適用されます。
労働者が、通勤途上で負傷した場合(通勤災害といいます。)には、労災保険から保険給付(治療費や、負傷のため仕事を休み賃金を受けられないときの休業給付など)が行われます。
給付内容は、アルバイト、パートタイマーも正社員と同じです。

お尋ねの場合も、会社へ出勤する途中に負傷したものですので、労災給付の対象になるものと考えられます。
労災保険の対象となる場合には、健康保険は使えませんので、病院で受診する時に会社に出勤する途中のけがであることをはっきり申し出てください。
もし、労災請求について会社から協力が得られない場合は、労働基準監督署に相談してください。

詳しく知りたい方はこちら

労災保険

労災保険は、労働者の業務や通勤が原因である負傷、疾病、障害、死亡に対して、国が事業主に代わって給付を行う公的な制度です。
業務が原因であるものを「業務災害」、通勤によるものを「通勤災害」といいます。
労働者を1人でも雇用する事業(個人、法人を問いません。)に適用され、保険料は全額事業主が負担します。
なお、会社が労災保険への加入手続きを怠っている場合にも、業務災害又は通勤災害で被災した労働者に対する保険給付は行われます。

通勤災害

通勤災害とは、通勤によって労働者が被った傷病等をいいます。
ここでいう「通勤」とは、就業に関し、

  • ㋐ 住居と就業の場所との間の往復、
  • ㋑ 就業の場所から他の就業の場所への移動、
  • ㋒ 単身赴任先住居と帰省先住居との間の移動、

を、合理的な経路および方法で行うことをいい、業務の性質を有するものを除くとされています。
移動の経路を逸脱し、または中断した場合には、逸脱または中断の間およびその後の移動は「通勤」とはなりません。
ただし、例外的に認められた行為で逸脱または中断した場合には、その後の移動は「通勤」となります。

上記の労災保険法における「通勤」に関して、次のとおり要件が示されています。(厚生労働省パンフレット「労災保険給付の概要」より)

  • ① 「就業に関し」とは
    通勤は、その移動が業務と密接な関連をもって行われなければなりません。
    したがって、前述の㋐または㋑の移動の場合、被災当日に就業することとなっていたこと、または現実に就業していたことが必要です。遅刻やラッシュを避けるための早出など、通常の出勤時刻とある程度の前後があっても就業との関連性は認められます。
  • ② 「住居」とは
    「住居」とは、労働者が居住している家屋などの場所で、本人の就業のための拠点となるところをいいます。
    したがって、就業の必要上、労働者が家族の住む場所とは別に就業の場所の近くにアパートを借り、そこから通勤している場合には、そこが住居となります。
  • ③ 「就業の場所」とは
    「就業の場所」とは、業務を開始し、または終了する場所をいい、一般的には、会社や工場などをいいます。
  • ④ 「合理的な経路および方法」とは
    「合理的な経路および方法」とは、移動を行う場合に、一般に労働者が用いると認められる経路および方法をいいます。
    「合理的な経路」については、通勤のために通常利用する経路が、複数ある場合、それらの経路はいずれも合理的な経路となります。
    しかし、合理的な理由もなく、著しく遠回りとなる経路をとる場合は、合理的な経路とはなりません。
    「合理的な方法」については、通常用いられる交通方法(鉄道、バスなどの公共交通機関を利用、自動車、自転車などを本来の用法に従って使用、徒歩など)は、平常用いているかどうかにかかわらず、合理的な方法となります。
  • ⑤ 「業務の性質を有するもの」とは
    ①から④までの要件を満たす移動であっても、その行為が「業務の性質を有するもの」である場合には、通勤となりません。
    具体的には、事業主の提供する専用交通機関を利用して出退勤する場合や緊急用務のため休日に呼び出しを受けて出勤する場合などの移動による災害は、通勤災害ではなく業務災害となります。
  • ⑥ 「経路を逸脱し、または中断した場合」とは
    「逸脱」とは、通勤の途中で就業や通勤と関係のない目的で合理的な経路をそれることをいい、「中断」とは、通勤の経路上で通勤と関係のない行為を行うことをいいます。
    具体的には、通勤の途中で映画館に入る場合、飲酒する場合などをいいます。
    しかし、通勤の途中で経路近くの公衆トイレを使用する場合や経路上の店で飲み物を購入する場合などのささいな行為を行う場合には、逸脱、中断とはなりません。
    通勤の途中で逸脱または中断があるとその後は原則として通勤とはなりませんが、これについては法律で例外が設けられており、日常生活上必要な行為であって、厚生労働省令※で定めるものをやむを得ない事由により最小限度の範囲で行う場合には、逸脱または中断の間を除き、合理的な経路に復した後は再び通勤となります。

※ 厚生労働省令で定める「逸脱」、「中断」の例外となる行為

i 日用品の購入その他これに準ずる行為
ii 職業訓練、学校教育法第1条に規定する学校において行われる教育その他これらに準ずる教育訓練であって職業能力の開発向上に資するものを受ける行為
iii 選挙権の行使その他これに準ずる行為
iv 病院または診療所において診察または治療を受けること、その他これに準ずる行為
v 要介護状態にある配偶者、子、父母、孫、祖父母および兄弟姉妹並びに配偶者の父母の介護(継続的にまたは反復して行われるものに限る)

通勤災害に対する労災保険給付(主なもの)

通勤災害による傷病については、所定の保険給付請求書を提出することにより、次のような保険給付が受けられます。

  • ① 療養給付
    通勤災害による傷病により療養するときに、必要な療養の給付又は必要な療養費の全額が受けられます。
    療養した医療機関が労災保険指定医療機関の場合には、無料で治療や薬剤の支給などを受けられますので、療養費を支払う必要はありません。
    療養した医療機関が労災保険指定医療機関でない場合には、一旦療養費を立て替えて支払い、その後労働基準監督署に請求書を提出すると、その費用が支払われます。
  • ② 休業給付
    通勤災害による傷病の療養のため労働することができず賃金を受けられないときに、休業4日目から休業1日につき給付基礎日額の60%相当額の休業給付が支給されます。
    このほか、休業特別支給金として、休業4日目から休業1日につき給付基礎日額の20%相当額が支給されます。
    副業・兼業の場合など、アルバイトをしている会社以外の会社でも就業している労働者(複数事業労働者といいます。)については、災害が発生していない会社の賃金も合算して給付基礎日額が算定されます。
  • ③ その他の保険給付
    ①②の他にも、障害給付(通勤災害による傷病が治癒(症状固定)した後に障害が残ったとき)、遺族給付(通勤災害により死亡したとき)、葬祭料、傷病年金及び介護給付などの保険給付があります。

*労災保険の給付内容について、詳しくは次の厚生労働省のパンフレットをご参照ください。 https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/091124-1.pdf

「Q&A」によっても解決されない個別相談がある場合はこちら
さらに労働条件や就労環境のWEB診断を希望される方はこちら(スタートアップ労働条件)

一覧ページへ戻る
  • 厚生労働省法令等データベースサービス
  • e-Gov