Q&A
法令・制度のご紹介
相談機関のご紹介
行政の取組
裁判例

スタートアップ労働条件

アルバイトを雇う際、始める前に知っておきたい ポイント

しっかり学ぼう 労働条件

動画で学ぼう!労働条件

アンケートにお答えください

凡例

法令の略記
・労基法:労働基準法
・労基則:労働基準法施行規則
・年少則:年少者労働基準規則
・最賃法:最低賃金法
・労契法:労働契約法
・賃確法:
  賃金の支払の確保等に関する法律
・安衛法:労働安全衛生法
条文等の表記
・法令略記後の数字:該当条文番号
・法令略記後の○囲みの数字:
  該当項番号
・法令略記後の( )囲みの漢数字:
  該当号番号
例:労基法12①(二):
  労働基準法第12条第1項第2号
通達の表記
・発基:大臣又は厚生労働事務次官名で発する労働基準局関係の通達
・基発:労働基準局長名で発する通達
・基収:労働基準局長が疑義に答えて発する通達
・婦発:婦人局長(現 雇用均等・児童家庭局長)名で発する通達

Q&A

雇用契約

Q

採用面接で、大学時代や資格取得のための受験時代に奨学金を受けたり、親戚から借金をして入社時点で約600万円の借金があることを告げたところ、その会社の方が、その立替払をしてあげる代わりに毎月5万円づつ給料から返済してもらい、完済までは退職できないという条件を提示され、それに応じて労働契約を締結しましたが、完済するまで退職できないのでしょうか。

A

  • 1 会社による立替の問題点
    労働契約を締結するにあたって、その学生が背負ってきた借金600万円を会社が立て替えて支払う代わりに、月々5万円を返済してもらうという契約は有効でしょうか。思いつくのは、労基法16条の損害賠償の予定の禁止と同法17条の前借金相殺の禁止ですが、このいずれにも直接には該当しません。強いてあげれば、前借金相殺の禁止ですが、元々は会社からの借金ではなく、その会社がその学生を支援するために借金の肩代わりをしようとしているわけであり、会社が借金を肩にして意思を拘束して雇用契約を締結し、退職させないという構図とは明らかに異なります。
    その意味では、立替払いをしてあげて、それを材料にして学生の意思を拘束して労働契約を締結するものではなく、労基法17条に反するものではありません。その学生は、自主的に入社を希望しているのであり、立替金600万円のカタに事実上拘束して入社させているわけではないからです。
  • 2 退職の禁止
    しかしながら、約600万円を5万円づつ返済すれば120か月、10年かかってしまいます。この契約だと、入社してから10年間は退職できないということになってしまい、憲法21条で保障している職業選択の自由(憲法22条1項)に反し、さらには、労基法5条に定める強制労働の禁止にすら該当しかねない契約条項であって、この10年間退職禁止の約定は、当然、公序良俗違反(民法90条)で無効になります。
    したがって、仮に、会社には立替えた金銭の求償権があるわけですが、退職時以降はその返済義務はその学生には残るわけではあっても、その返済を退職の条件とすることはできません。したがって、その学生は会社に借金が残っていても退職することは可能です。
「Q&A」によっても解決されない個別相談がある場合はこちら
さらに労働条件や就労環境のWEB診断を希望される方はこちら(スタートアップ労働条件)

一覧ページへ戻る
  • 厚生労働省法令等データベースサービス
  • e-Gov