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凡例

法令の略記
・労基法:労働基準法
・労基則:労働基準法施行規則
・年少則:年少者労働基準規則
・最賃法:最低賃金法
・労契法:労働契約法
・賃確法:
  賃金の支払の確保等に関する法律
・安衛法:労働安全衛生法
条文等の表記
・法令略記後の数字:該当条文番号
・法令略記後の○囲みの数字:
  該当項番号
・法令略記後の( )囲みの漢数字:
  該当号番号
例:労基法12①(二):
  労働基準法第12条第1項第2号
通達の表記
・発基:大臣又は厚生労働事務次官名で発する労働基準局関係の通達
・基発:労働基準局長名で発する通達
・基収:労働基準局長が疑義に答えて発する通達
・婦発:婦人局長(現 雇用均等・児童家庭局長)名で発する通達

Q&A

雇用契約

Q

機械の不調もあって不良品を出したところ、社長から「労働契約にあるとおり、不良品1個につき100円を給料から天引きする」と言われて驚いています。こんなことが労基法上許されるのですか?

A

不良品1個につき100円というように予め使用者が賠償額を決めることは、違約金の定め、または、損害賠償の予定として禁止されています(労基法16)。また、天引きを実行することも、賃金の全額払いに違反し、認められません(労基法24①)。したがって、天引きは許されません。
なお、労働者が故意又は過失によって不良品を出した場合であって、不良品を出したことと会社が損害を被ったこととの間に相当の因果関係が認められるときには、実損害額の全部又は一部について労働者に賠償責任が生じることがありますが、この場合であっても、賃金からの天引きが許されるものではありません。

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違約金の定め・賠償予定の禁止

労働契約の不履行について違約金を定め、または損害賠償額を予定する契約を結ぶことは禁止されています(労基法16)。違反した契約は無効であり、使用者は、実際に損害を被った場合には、その事実を証明して損害賠償を請求することができるに過ぎません。

一方的な控除の禁止・全額払いの原則

賃金はその全額を支払わなければならないと定められており(労基法24①)、賠償金や貸付金等を使用者が労働者の賃金から一方的に控除することは、原則禁じられています。
ただし、労使間の合意によって相殺する相殺契約は、労働者の完全な自由意思によるものである限り、全額払の原則によって禁止されるものではないとした裁判例があります。
一方的な控除が認められる場合としては、ⅰ税金・社会保険料の源泉徴収をする場合(労基法24①)、ⅱ賃金控除協定を締結している場合(労基法24①)、ⅲ裁判所から差押え、仮差押え、転付命令が送付された場合、ⅳ相殺合意が存在している場合、ⅴ過払いの相殺の場合で、時期が接着し、金額が相当な場合(原則として賃金支給額の4分の1以下)等があります。
なお、使用者が労働者の退職時に退職金の支払いに際し、自己の貸付金及び銀行からの借入金の各残存金額を控除して支払った場合、労働者の同意に基づいて支払ったとして各請求権と労働者の退職金支払請求権とを相殺することができるとし、さらに、その相殺における労働者の同意は、本人の自由な意思に基づいてなされたものであると認められるに足りる合理的な理由が客観的に存在していたものというべきであるとされた日新製鋼事件(平2・11・26最二小判)があります。
また、相殺ではありませんが、退職金の引き下げについての同意につき、労働者が、形式的には同意していたと見られても、自由意思をもって同意したと見られる合理的な理由が客観的に存在するか否かを問題にした山梨県民信用組合事件(平28・2・19最二小判)があります。

使用者からの全部又は一部の損害賠償

使用者が労働者の行為により損害を被ったときに、労働者に対し損害賠償を請求できる場合がありますが、全ての場合において賠償請求できるわけではなく、また、認められる場合であっても、信義則上、その請求範囲が限定されることがあります。

  • 【参考となる裁判例】
  • ①茨城石炭商事事件(昭51.7.8最高裁第1小法廷判)
    要旨 石油等の輸送及び販売を業とする使用者が、業務上タンクローリーを運転中の被用者の惹起した自動車事故により、直接損害を被り、かつ、第三者に対する損害賠償義務を履行したことに基づき損害を被つた場合において、使用者が業務上車両を多数保有しながら対物賠償責任保険及び車両保険に加入せず、また、右事故は被用者が特命により臨時的に乗務中生じたものであり、被用者の勤務成績は普通以上である等判示の事実関係のもとでは、使用者は、信義則上、右損害のうち4分の1を限度として、被用者に対し、賠償及び求償を請求しうるにすぎない。
    〇茨城石炭商事事件(昭51.7.8) ※裁判所HPより
    http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=54209
  • ②東京保健生協診療所事件(昭47.1.27東京地裁判)
    要旨 賃金債権と使用者が労働者に対して有する債権とを,労使間の合意によって相殺すること(相殺の予約ないし相殺契約)は,それが労働者の完全な自由意思によるものである限り,労働基準法第24条第1項の定める賃金の全額払いの規定によって禁止されるものではない。
    〇東京保健生協診療所事件(昭47.1.27)
    http://www.zenkiren.com/Portals/0/html/jinji/hannrei/shoshi/00980.html
  • ③日新製鋼事件(平2.11.26最二小判)
    要旨 労働者が、会社の担当者に対し銀行からの各借入金の残債務を退職金等で返済する手続を執ってくれるように自発的に依頼しており、本件委任状の作成、提出の過程においても強要にわたるような事情は全くうかがわれず、右各精算処理手続が終了した後においても会社の担当者の求めに異議なく応じ、退職金計算書、給与等の領収書に署名押印をしているのであり、また、本件各借入金は、いずれも借り入れの際には抵当権の設定はされず、低利かつ相当長期の分割弁済の約定のもとに労働者が住宅資金として借り入れたものであり、それらの借入金については従業員の福利厚生の観点から利子の一部を会社が負担する等の措置が執られているなど、労働者の有利になっており、同人においても、各借入金の性質及び退職するときには退職金等によりその残債務を一括返済する旨の各約定を十分理解していたことがうかがえるのであって、右の諸点に照らすと、本件相殺における労働者の同意は、同人の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在していたものというべきである。
    〇日新製鋼事件(平2.11.26)
    https://www.zenkiren.com/Portals/0/html/jinji/hannrei/shoshi/05497.html
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