Q&Aの中からキーワードで検索する
- 以下のキーワードでよく検索されています。
賃金のデジタル払いが可能になったと聞きましたが、使用者が導入する際に必要な手続きを教えてください。また、労働者が賃金を「デジタル払い」で受け取る場合に必要な手続きを教えてください。
詳しく解説
- 1賃金のデジタル払いとは
-
労働基準法では、賃金は現金払いが原則(労基法第24条)ですが、労働者が同意した場合、銀行口座などへの賃金の振り込みが認められてきました。キャッシュレス決済の普及や送金手段の多様化のニーズに対応するため、労働者が同意した場合には、厚生労働大臣が指定した資金移動業者※の口座への金支払い(賃金のデジタル払い)も認められることになりました。
※厚生労働大臣が指定した資金移動業者(●●Payなど)のみです。
詳細は次のとおり
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03_00028.html#list_details
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001478565.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001069053.pdf
- 2注意点
-
- 現金化できないポイントや仮想通貨での賃金支払いは認められません。
- 賃金のデジタル払いは、賃金の支払い・受け取り方法の選択肢の1つです。賃金のデジタル払いを導入した事業場においても、全ての労働者の現在の賃金支払い・受け取り方法の変更が必須となるわけではありません。
- 労働者が希望しない場合は、これまで通り銀行口座などで賃金を受け取ることができます。また、使用者は希望しない労働者に賃金のデジタル払いを強制してはいけません。(労働者本人の同意がない場合や賃金のデジタル払いを強制した場合には、使用者は労働基準法違反となり、罰則の対象になり得ます。)
- 賃金の一部を資金移動業者口座で受け取り、その他は銀行口座などで受け取ることも可能です。
- 賃金のデジタル払いを選択した場合であっても、その後、賃金の受け取り方法を銀行口座などに変更することができます。
- 3使用者が賃金のデジタル払いを導入する際の必要な手続き
-
-
手続きの流れ
-
① 厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者(指定資金移動業者)の確認
厚生労働省ウェブサイト(1のURL)に掲載されている指定資金移動業者一覧で、厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者とそのサービスの名称等を確認します。 -
② 導入する指定資金移動業者のサービスの検討
どの指定資金移動業者のサービスを導入するのか、労働者のニーズを踏まえながら、検討します。なお、複数の指定資金移動業者を選択することも可能です。 -
③ 労使協定の締結等
賃金のデジタル払いを導入するにあたり、事業場に労働者の過半数で組織する 労働組合がある場合はその労働組合と、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者と、労使協定を締結する必要があります。
労使協定には、以下の事項を記載します。
(1) 対象となる労働者の範囲
(2) 対象となる賃金の範囲とその金額
(3) 取扱指定資金移動業者の範囲
(4) 実施開始時期
【労使協定例】
https://view.officeapps.live.com/op/view.aspx?src=https%3A%2F%2Fwww.mhlw.go.jp%2Fcontent%2F11200000%2F001285138.docx&wdOrigin=BROWSELINK
以上のほかに、就業規則、給与規程等の改定が必要かどうかについても確認してください。 -
④ 労働者への説明
労使協定を締結した上で、賃金のデジタル払いを希望する労働者に対して、賃金のデジタル払いに関する必要事項を説明する必要があります。
説明の際には、賃金の支払い方法に関する他の選択肢(現金、預貯金口座への振り込みまたは証券総合口座への払い込み)もあわせて提示することが必要です。
労働者への説明は、使用者から指定資金移動業者に委託できますが、委託した指定資金移動業者が労働者への説明を怠った場合には、労働者への説明が行われたとは認められず、使用者は労働基準法令に違反することになります。 -
⑤ 労働者の個別の同意取得
労働者から個別の同意を得ることが必要です。
【同意書の様式例】
https://view.officeapps.live.com/op/view.aspx?src=https%3A%2F%2Fwww.mhlw.go.jp%2Fcontent%2F11200000%2F001282158.docx&wdOrigin=BROWSELINK
労働者から同意を得る際に、賃金のデジタル払いを行う口座に賃金を振り込むために必要な情報、受け取り希望額、指定代替口座※ 等の情報も取得してください。
※賃金のデジタル払いの受け取り先となる口座の残高が受入上限額を超過した際に超過分が自動で出金されたり、指定資金移動業者が破綻した際に口座残高が弁済されたりする預貯金口座のこと。 -
⑥ 賃金支払いの事務処理の確認・実施
賃金支払いの実務を行うための手続きは、指定資金移動業者によって異なりうるため、導入する指定資金移動業者のサービス内容を確認する必要があります。
所定の賃金支払日に賃金を支払っていくために使用者において行う必要がある事務処理についても、あわせて、導入する指定資金移動業者のサービス内容を確認する必要があります。
-
① 厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者(指定資金移動業者)の確認
-
留意事項
指定資金移動業者の指定が取り消された場合、または、指定資金移動業者が指定を辞退した場合については、賃金のデジタル払いを行っていた使用者は、対象の労働者に速やかに確認の上、労働者が指定する別の方法によって、それ以降の賃金の支払いを行う必要があります。
-
手続きの流れ
- 4労働者が賃金を「デジタル払い」で受け取る場合に必要な手続き
-
-
賃金を「デジタル払い」で受けとることができる場合
労働者が賃金をデジタル払いで受け取るには、自身が働く会社において、賃金のデジタル払いに関する労使協定が締結されている必要があります(3の(1)の③参照)。
賃金のデジタル払いを導入していない会社においてデジタル払いでの受け取りを希望する場合や、利用したい指定資金移動業者が労使協定に含まれていない場合は、会社や労働組合等に相談しましょう。 -
必要な手続きの流れ
-
① 各指定資金移動業者のサービス内容の確認
労使協定で定められた指定資金移動業者のうち、どの指定資金移動業者を利用するのか検討しましょう。
指定資金移動業者によってサービス内容が異なりますので、検討の際には各指定資金移動業者のウェブサイト等で詳細を確認しましょう。
なお、複数の指定資金移動業者を選択することも可能です。
指定資金移動業者を検討する際のポイント-
・賃金を受け取る口座(口座)には受入上限額が設定されています。
受入上限額は指定資金移動業者によって異なります。受入上限額を超えた場合は、超過分があらかじめご自身が指定した銀行などの預貯金口座(指定代替口座)に自動的に出金されます。
なお、指定代替口座への自動出金にかかる手数料はご自身の負担となる可能性があります。 -
・口座残高の現金化(払い出し)方法や手数料を確認しましょう。
ATMや銀行口座などへの出金により、口座残高を現金化(払い出し)することもでき、少なくとも毎月1回は手数料負担なく口座から払い出すことができます。
なお、出金先や2回目以降の手数料は指定資金移動業者により異なります。
-
・賃金を受け取る口座(口座)には受入上限額が設定されています。
-
② 使用者への個別の同意等
使用者(または指定資金移動業者)から賃金のデジタル払いに関する必要事項の説明を受けたうえで、使用者へ賃金のデジタル払いにかかるご自身の同意書を提出してください。
なお、同意とあわせて、ご自身で決めた以下の事項を使用者へ提示する必要があります。
(1) デジタル払いでの受け取りを希望する賃金の範囲とその金額
(2) 指定資金移動業者(サービス)名および賃金の受け取り先となる口座情報(例:アカウントID、名義人名)
(3) 支払い開始希望時期
(4) 銀行などの指定代替口座※情報 等
※賃金のデジタル払いの受け取り先となる口座の残高が受入上限額を超過した際に超過分が自動で出金されたり、指定資金移動業者が破綻した際に口座残高が弁済されたりする預貯金口座のこと。 -
③ 指定資金移動業者への利用申請
使用者への同意後、指定資金移動業者のアプリ等から、賃金のデジタル払いの利用申請をしましょう。
なお、指定資金移動業者への利用申請後に、使用者への届け出が必要な場合があります。
-
① 各指定資金移動業者のサービス内容の確認
-
留意事項
-
指定代替口座の情報は最新の状態に
指定代替口座は、口座の残高が受入上限額を超過した際に超過分が自動で出金される預貯金口座で、また、指定資金移動業者が破綻した際に口座残高が弁済される、大切なものです。改姓改名等で名義が変更されていたり、解約等で有効でなくなった預貯金口座が登録されているなどの場合、自動出金や弁済に時間を要する可能性があります。 このため、定期的に指定代替口座の情報を確認しましょう。 -
賃金のデジタル払いをやめる場合や、転職・退職した場合
- ・使用者のほか、指定資金移動業者への届け出が必要となる場合があります。
-
・保証機関と締結した保証契約についても、解約となる可能性があります。
解約手続きにあたり、保証機関への連絡、届け出等が必要となる場合もあります。
※詳細は、指定資金移動業者へご確認ください。
-
万が一のことが起きたら
-
・不正取引(心当たりのない出金など)が起きた場合
口座所有者に過失がないときは損失全額が補償されます。ただし、一定の期間(例:損失発生の翌日から30日)のうちに指定資金移動業者への通知が必要となる場合もあります。
このため、不正取引があった場合は、速やかに指定資金移動業者にお問い合わせください。 -
・指定資金移動業者が破綻した場合
保証機関と締結した保証契約に基づき、口座残高が速やかに弁済されます。
なお、弁済にあたっては、保証機関から指定代替口座に弁済金が振り込まれる場合もあれば、ご本人から保証機関への請求が必要な場合もあります。
※詳細は、指定資金移動業者または保証機関へご確認ください。
-
・不正取引(心当たりのない出金など)が起きた場合
-
指定代替口座の情報は最新の状態に
-
賃金を「デジタル払い」で受けとることができる場合
- 凡例
-
法令の略記
・労基法:労働基準法 ・労基則:労働基準法施行規則 ・年少則:年少者労働基準規則 ・最賃法:最低賃金法
・労契法:労働契約法 ・賃確法:賃金の支払の確保等に関する法律 ・安衛法:労働安全衛生法 -
条文等の表記
・法令略記後の数字:該当条文番号 ・法令略記後の○囲みの数字:該当項番号 ・法令略記後の( )囲みの漢数字:該当号番号
例:労基法12①(二):労働基準法第12条第1項第2号 -
通達の表記
・発基:大臣又は厚生労働事務次官名で発する労働基準局関係の通達 ・基発:労働基準局長名で発する通達
・基収:労働基準局長が疑義に答えて発する通達 ・婦発:婦人局長(現 雇用均等・児童家庭局長)名で発する通達