Q&A
賃金
Q
賃金は差し押さえられることができるということですが、差し押さえられると、どうなるのでしょうか?
A
労働者の賃金が差し押さえられた場合には、民事執行法の規定によって債権者が債権の取り立てをすることができるようになっています。例えば、労働者が金融機関から借金をしていてこれを支払わなかったために金融機関(債権者)が労働者(債務者)を相手に貸金請求の訴訟を提起してその判決をもらい、この判決に基づいて労働者の賃金債権の差押をしたとしましょう。この場合、差押をした金融機関は差押命令が労働者に送達されて1週間を経過すれば直接会社(「第三債務者」)から取り立てることができます(民事執行法155条)。
会社はこの差押債権者に賃金を支払わなければならず、その分は労働者に重ねて支払う必要はないのですが、これは法律に基づくものですので、労基法24条の直接払いの原則には違反しません。
但し、賃金のうち4分の3は差押が禁止されています(民事執行法152条)ので、賃金の4分の1までしか差押をすることはできません(但し、例外的に、月例賃金が月額で44万円を超える場合には、月例賃金の差押禁止額は33万円であり、逆に言えば33万円を超える部分は全額の差押が可能です。民事執行法施行令2条1項)。