第4章 ハラスメントに負けるな!

概説

ハラスメントには、性的な嫌がらせを指すセクハラ、妊娠・出産に関するマタハラ、男性の育児休暇などに対するパタハラ、職務上の立場や役職などを利用したパワハラなど様々な種類があります。
ハラスメント(いじめ・嫌がらせ)は個人としての尊厳を不当に傷つけ、加害者が想像もつかないほど被害者の心に苦痛を与えます。さらに、被害者が能力を十分に発揮できなくなることに加えて、会社にとっても職場秩序が乱れたり、信用や評判を落とすことになります。そのため、会社はハラスメントを防止しなければなりません。
ハラスメントの中には、会社に対して法律的に防ぐ義務を課せられたものもあります。

◆NG1 解説

「女性はやっぱり結婚して、子ども産むのが本業だからな。君もやっと一人前だな(笑)」
セクハラを無くすには、「女性は結婚・出産を経て一人前になる」などといった、性別によって役割分担するなどの固定化された意識による態度や言動をなくしていくことが重要です。法律でも、会社にはセクハラを防ぐ措置を講じるよう義務付けられています(男女雇用機会均等法第11条)。
今回の課長は、結婚・出産を経ないと女性は一人前じゃないと明言していますので、まずは上司の意識改革が必要です。

◆NG2 解説

「君、入社2年目だったよなぁ?やっと仕事覚えたところで妊娠なんて無計画すぎないか?いっそ、辞めてもらったほうがありがたいんだがなぁ」
産休や育休については、法律で、制度を利用する人の働く環境が害されることのないよう、会社で対策を講じなければなりません。(男女雇用機会均等法第11条の2、育児介護休業法第25条)。つまり、社員が産休や育休などを利用しようとした際に、「無計画すぎないか?」「退職してもらったほうがありがたい」といったような言葉で制度を使わせないようにけん制することはマタハラに当たり、許されることではありません。
今回の課長も、産休や育休を認めようとしていません。本来は、社員の就業環境を守らなければならないはずです。

◆NG3 解説

「おーい、全員聞けー!今後、コイツにコピー取りの仕事まわすなよー。経費の無駄遣いにしかならんからな!」
「真剣にやれ、もっと真剣に!オマエなんか、サル以下だなっ!」
職場のパワハラとは、上司といった立場などを利用して、業務の適正な範囲を超えて精神的・身体的に苦痛を与える、又は職場環境を悪化させることを言います。例えば、他の社員の前で侮辱的な発言をすることやどなること、人格そのものを傷つけるような暴言をはいたりすることは、パワハラに当たり、決して許されることではありません。
今回の係長は、社員を指導・教育する立場にあるという自覚を持つべきです。

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