Q&A
解雇
Q
解雇予告期間を置いたり解雇予告手当を支払わないで解雇することができる場合があるということですか、それは、どのような場合ですか?
A
労基法20条1項は、使用者は労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならず、それをしない場合は30日分以上の平均賃金を支払わなければならないとしていますが、労基法20条1項但書で、「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においてはこの限りでない」と規定していて、この除外事由がある場合には使用者は解雇予告期間を置いたり解雇予告手当を支払わないで解雇することができます。しかし、この除外事由があるかどうかは労働基準監督署長の認定が必要となります(労基法20条3項)。
ここで、「労働者の責めに帰すべき事由」について、監督署での認定は、解釈例規(昭23.11.11基発第1637号、昭31.3.1基発第111号)に示された認定基準により判断します。認定基準には、以下の事例が挙げられています。
- ① 会社内における窃盗、横領、傷害等刑法犯に該当する行為があった場合
- ② 賭博や職場の風紀、規律を乱すような行為により、他の労働者に悪影響を及ぼす場合
- ③ 採用条件の要素となるような経歴を詐称した場合
- ④ 他の会社へ転職した場合
- ⑤ 2週間以上正当な理由がなく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合
- ⑥ 遅刻、欠勤が多く、数回にわたって注意を受けても改めない場合
認定にあたっては,必ずしも個々の例示に拘泥することなく総合的かつ実質的に判断することとされ、就業規則等に規定されている懲戒解雇事由についてもこれに拘束されることはないものとされています。