Q&A
法令・制度のご紹介
相談機関のご紹介
行政の取組
裁判例

平成29年度 厚生労働省委託事業 過重労働解消のためのセミナー

スタートアップ労働条件

アルバイトを雇う際、始める前に知っておきたい ポイント

しっかり学ぼう 労働条件

動画で確かめよう!学生のための労働条件セミナー

アンケートにお答えください

凡例

法令の略記
・労基法:労働基準法
・労基則:労働基準法施行規則
・年少則:年少者労働基準規則
・最賃法:最低賃金法
・労契法:労働契約法
・賃確法:
  賃金の支払の確保等に関する法律
・安衛法:労働安全衛生法
条文等の表記
・法令略記後の数字:該当条文番号
・法令略記後の○囲みの数字:
  該当項番号
・法令略記後の( )囲みの漢数字:
  該当号番号
例:労基法12①(二):
  労働基準法第12条第1項第2号
通達の表記
・発基:大臣又は厚生労働事務次官名で発する労働基準局関係の通達
・基発:労働基準局長名で発する通達
・基収:労働基準局長が疑義に答えて発する通達
・婦発:婦人局長(現 雇用均等・児童家庭局長)名で発する通達

Q&A

賃金

Q

年俸制なら割増賃金を支払う必要がないと聞き、年俸制を導入しましたが、本当に支払わなくても良いのでしょうか。

A

年俸制を導入した場合でも、実際の労働時間が一週又は一日の労働時間の法定労働時間を超えれば、原則として※、割増賃金を支払わなければなりません。
したがって、年俸制であることを理由として割増賃金の支払いを免れることはできません。
※「原則として」とあるのは、労基法41により、以下の労働者には、労働時間、休憩及び休日に関する規定が適用されないためです。

  • (1)土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業(林業を除く。)または動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他の畜産、養蚕又は水産の事業に従事する者
  • (2)事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
  • (3)監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの
詳しく知りたい方はこちら

割増賃金の支給が原則であること

労基法37は、同法32から32の5まで若しくは同法40の労働時間を超える時間の労働、同法35の休日における労働又は午後10時から午前5時までの間に従事した労働(以下「深夜労働」という。)に対して、割増賃金を支払うべきことを使用者に義務付けることによって、同法が規定する法定労働時間及び週休制の原則の維持を図るとともに、過重な労働に対する労働者への補償を行おうとするものであって、どのような賃金体系であっても、時間外、休日又は深夜の労働に対する割増賃金を支払わなければなりません。
なお、当然のことながら、同法36①の協定によらない違法な時間外、休日労働であっても割増賃金を支払わなければなりません(S63.03.14 基発150、H11.03.31 基発168)。
これに関する判例として「小島撚糸事件」最高一小、判決、S35.07.14があり、その要旨は「労基法119①の罰則は、時間外労働等が適法たると違法たるとを問わず適用あるものと解すべきは条理上当然である。」とされています。
また、労基法は強行規定であり、たとえ労使合意の上で割増賃金を支払わない申し合わせをしても、その申し合わせは労基法に抵触し無効となることから、時間外、休日又は深夜の労働に対する割増賃金を支払わなければなりません(S24.01.10 基収68)。

割増賃金の算定基礎額と年俸制

労基法37⑤では、「割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は参入しない。」とし、労基則21では、家族手当及び通勤手当のほか、以下の5つの手当や賃金を割増賃金の基礎となる賃金には算入しないと規定しています。

  • (1)別居手当
  • (2)子女教育手当
  • (3)住宅手当
  • (4)臨時に支払われた賃金
  • (5)一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金

ところで、年俸制における代表的な賃金の支払方法には、

  • ①年俸額の12分の1を月例給与として支給する
  • ②年俸額の一部を賞与支給時に支給するもの(例えば、年俸の17分の1を、月例給与として支給し、年俸の17分の5を二分して、6月と12月に賞与として支給する。)

があります。
問題は②の場合の賞与時の支給額が、割増賃金の算定基礎額に含まれるか否かですが、この点に関しては、②のような場合に「賞与として支払われている賃金は、労基則21条4号の『臨時に支払われた賃金』及び同条5号の『一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金』のいずれにも該当しないものであるから、割増賃金の算定基礎から除外できない」との通達(H12.03.08 基収78)があり賞与時支給部分を含めて確定した年俸額を算定の基礎として割増賃金を支払う必要があります。
これに関する裁判例として「創栄コンサルタント事件」大阪高裁、判決、H14.11.26があります。
また、労使の合意で年俸に割増賃金を含むものとしている場合の取扱いについて、「年俸に時間外労働等の割増賃金が含まれていることが労働契約の内容であることが明らかであって、割増賃金相当部分と通常の労働時間に対応する賃金部分とに区分することができ、かつ、割増賃金相当部分が法定の割増賃金額以上支払われている場合は労基法37条に違反しないと解されるが、年間の割増賃金相当額に対応する時間数を超えて時間外労働等を行わせ、かつ、当該時間数に対応する割増賃金が支払われていない場合は、労基法37条違反となることに留意されたい。また、あらかじめ、年間の割増賃金相当額を各月均等に支払うこととしている場合において、各月ごとに支払われている割増賃金相当額が、各月の時間外労働等の時間数に基づいて計算した割増賃金額に満たない場合も、同条違反となることに留意されたい。」との通達(H12.03.08 基収78)があります。

深夜労働の割増賃金

労基法41の各号に該当する労働者が適用の除外を受けるのは、労基法の第4章、第6章及び第6章の2で定められている労働時間、休憩及び休日に関する規定であり労基法37に規定される深夜労働に対する割増賃金の支払は除外の対象に含まれないと解され、労基法41の各号に該当する労働者が深夜労働に従事した深場合には割増賃金は支払わなければなりません。

「Q&A」によっても解決されない個別相談がある場合はこちら
さらに労働条件や就労環境のWEB診断を希望される方はこちら(スタートアップ労働条件)

一覧ページへ戻る
  • 厚生労働省法令等データベースサービス
  • e-Gov