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凡例

法令の略記
・労基法:労働基準法
・労基則:労働基準法施行規則
・年少則:年少者労働基準規則
・最賃法:最低賃金法
・労契法:労働契約法
・賃確法:
  賃金の支払の確保等に関する法律
・安衛法:労働安全衛生法
条文等の表記
・法令略記後の数字:該当条文番号
・法令略記後の○囲みの数字:
  該当項番号
・法令略記後の( )囲みの漢数字:
  該当号番号
例:労基法12①(二):
  労働基準法第12条第1項第2号
通達の表記
・発基:大臣又は厚生労働事務次官名で発する労働基準局関係の通達
・基発:労働基準局長名で発する通達
・基収:労働基準局長が疑義に答えて発する通達
・婦発:婦人局長(現 雇用均等・児童家庭局長)名で発する通達

Q&A

年次有給休暇

Q

年次有給休暇はもらえるのですか?また、パートももらえるのでしょうか?

A

年次有給休暇とは、労働者の心身の疲労を回復させ、また、仕事と生活の調和を図るために、労基法が労働者の「権利」として認めた有給の休暇です。
年次有給休暇は、①6か月以上継続勤務している者であって、②その期間において全労働日の8割以上出勤したものであれば、10日の有給休暇がとれます。以後、出勤率が8割以上であれば、継続勤務期間1年ごとに休暇日数は増加し最高20日を限度にとることができます。所定労働日数が少ないパートタイム労働者であっても、その所定労働日数に応じて年次有給休暇をとることができます。

詳しく知りたい方はこちら

基本的な考え方

  • (1)年次有給休暇は労働者の権利
    年次有給休暇は、法定の要件を満たせば当然に権利が発生するもので、労基法が保障する労働者の権利であります。仮に、使用者が労基法に規定された日数よりも少ない日数の年次有給休暇しか認めないとか、就業規則で年次有給休暇を認めないことを定めたとしても、それらは無効となり、労働者は、労基法が定めるとおりの年次有給休暇を取得することができます。ただし、年次有給休暇は、労働義務を免除するものであるので、労働義務のない日(所定休日や休業日など)に年次有給休暇をとることはできません。
  • (2)就業規則に定める
    年次有給休暇は、労基法が定めた「休暇」であり、「休暇」は就業規則の必要的記載事項(労基法89-1)とされています。常時10人以上の労働者を使用する事業場には、就業規則を作成して所轄労働基準監督署に届け出る義務があります(労基法89柱書)。
  • (3)日単位でとることが原則
    年次有給休暇は、継続し又は分割してこれをとることができることとされており、基本的にはその日1日労働から解放されて休養、リフレッシュすることを目的とするものであるから、日単位を最小単位とすることが原則です。したがって、例えば、年次有給休暇をとった日に急な仕事で呼び出され途中から会社に出勤したような場合には、年次有給休暇をとったことにはなりません。
    なお、労基法は、時間単位で休暇をとることも認めているが(労基法39④)、あくまでも日単位による取得が原則であるため、その取得については一定要件が課せられています。
  • (4)年休の使用目的は労働者の自由
    年次有給休暇をどのような目的でとるのかは、労働者の自由であり、使用者は、その目的いかんによって年次有給休暇の取得を拒むことはできません。
    ただし、業務の正常な運営を阻害する目的で、一斉に年次有給休暇をとって職場を放棄することは、年次有給休暇に名を借りた同盟罷業であり、正当な権利行使ではないとされています(S48.3.6 基発110)。

〈関連判例〉
国鉄郡山工場事件(最高裁最二小法廷 昭48.3.2判決、ID01340)
白石営林署事件(最高裁最二小法廷 昭48.3.2判決、ID01341)
【判例要旨】労基法39条1、2項の要件が充足されたときは、当該労働者は法律上当然に右各項所定日数の年次有給休暇の権利を取得し、使用者はこれを与える義務を負うのであるが、この年次休暇権を具体的に行使するにあたっては、同法は、まず労働者において休暇の時季を『請求』すべく、これに対し使用者は、同条3項但書の事由が存する場合には、これを他の時季に変更させることができるものとしている。かくのごとく、労基法は同条3項において『請求』という語を用いているけれども、年次有給休暇の権利は、前述のように、同条1、2項の要件が充足されることによって法律上当然に労働者に生ずる権利であって、労働者の請求をまって始めて生ずるものではなく、また、同条3項にいう『請求』とは、休暇の時季にのみかかる文言であって、その趣旨は、休暇の時季の『指定』にほかならないものと解すべきである。
http://www.zenkiren.com/Portals/0/html/jinji/hannrei/shoshi/01340.html
http://www.zenkiren.com/Portals/0/html/jinji/hannrei/shoshi/01341.html

年次有給休暇の発生要件と付与日数

①入社から6か月間継続勤務し、②全労働日の8割以上出勤していれば、労働者は10労働日の年次有給休暇を取得することができます。また、その後1年間継続勤務し、その全労働日の8割以上出勤すると、11労働日の年次有給休暇を取得することができます。以降も同様の要件を満たせば、表1の日数の年次有給休暇が付与されます(勤続年数6年6か月以降は20日)。なお、1年6か月に8割未満の出勤率であったために11日の休暇権を取得できなかった場合でも、2年6か月に8割以上の出勤率となれば、その翌年には12日の休暇権が取得できます。
また、休暇の権利は2年間有効なので、当該年度に使用しなかった休暇日数は翌年度に繰り越しとなります。

[表1 年次有給休暇の付与日数(一般の労働者)]
勤続年数 6か月 1年
6か月
2年
6か月
3年
6か月
4年
6か月
5年
6か月
6年
6か月以上
付与日数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日

所定労働日数が通常の労働者より少ないパートタイム労働者は、表2の所定労働時間数や所定労働日数に応じて一定日数の年次有給休暇をとることができます。
なお、パートタイム労働者であっても、週所定労働時間数が30時間以上の場合や、所定労働日数が週5日(または年間217日)以上の場合は、表1の一般の労働者と同じ日数の年次有給休暇をとることができます。

[表2 年次有給休暇の付与日数(週所定労働時間が30時間未満の労働者)]
週所定
労働日数
年間所定
労働日数
勤続年数
6か月 1年
6か月
2年
6か月
3年
6か月
4年
6か月
5年
6か月
6年
6か月
以上
4日 169~216日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 121~168日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
2日 73~120日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日 48~72日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日

使用者の時季変更権

年次有給休暇の取得日は原則として、労働者が好きな時季を指定することができます。ただし、労働者が指定した時季に休暇を与えることが「事業の正常な運営を妨げる場合」には、使用者は、他の時季に変えること(時季変更権)が認められています(労基法39⑤)。
使用者の時季変更権の行使が認められる「事業の正常な運営を妨げる場合」かどうかは、個別的、具体的、客観的に判断されています(S23.07.27 基収2622)。裁判例では、労働者が所属する事業場を基準として、事業の規模、内容、労働者の担当する作業の内容、性質、作業の繁閑、代行者の配置の難易、労働慣行等諸般の事情を考慮して客観的に判断すべきものとされています。

〈関連判例〉
此花電報電話局事件(最高裁第一小法廷 昭57.3.18判決、ID03334)
【判例要旨】年次有給休暇の成立要件に使用者の承認という観念をいれる余地はなく、特定の時季を指定した年次有給休暇の請求に対し、これを承認しまたは不承認とする旨の使用者の応答は、時季変更権を行使せずまたは行使する旨の意思表示をしたものに当ると解すべきである。
「事業の正常な運営を妨げる」か否かは当該労働者の所属する事業場を基準として、事業の規模、内容、当該労働者の担当する作業の内容、性質、作業の繁閑、代行者の配置の難易、労働慣行等諸般の事情を考慮して客観的に判断すべきである。「交替服務者が休暇を請求する場合は、原則として前々日の勤務終了時までに請求する」旨の定めは、労働基準法39条に違反しない。勤務開始時刻前に第三者(宿直職員)を介してなされた当日全日または午前中2時間の年次有給休暇の請求に対し、事業の正常な運営を妨げる虞があるとの判断の下に、休暇を必要とする事情いかんによつては右休暇を認めるのを妥当とする場合があると考え、休暇の理由をただしたところ、労働者が休暇の理由を明らかにすることを拒んだため、年次休暇の請求を不承認とする意思表示をしたことにつき、右の事情の下においては、不承認の意思表示が休暇期間の開始しまたは経過した後になされた場合であつても、適法な時季変更権の行使に当り有効と認めるのが相当である。
http://www.zenkiren.com/Portals/0/html/jinji/hannrei/shoshi/03334.html

時事通信社事件(最高裁第三小法廷 平4.6.23判決、ID05935)
【判例要旨】労働者が長期かつ連続した年次有給休暇を取得しようとするときは、事前の調整が必要であり、労働者が右の調整を経ることなく時季指定をしたときは、時季変更権の行使について使用者にある程度の裁量的判断の余地を認めざるを得ないが、右裁量的判断は合理的でなければならないところ、新聞記者の1か月の年休の時季指定について、後半部分についての時季変更権を行使したことは適法とされた事例。
http://www.zenkiren.com/Portals/0/html/jinji/hannrei/shoshi/05931.html

年次有給休暇の賃金

年次有給休暇をとった日に支払う賃金は、①平均賃金 (労基法12①)、②通常の賃金、③健康保険法による標準報酬日額(健保法99①)のいずれかによることとされています。このうち、③による場合は、労使協定(届出は不要)を結ばなければなりません(労基法39⑦)。
これらのうちどの方法によって支払うかは、あらかじめ就業規則等に定めておく必要があり、使用者がその都度任意に選択することはできません。

出勤率の算定

年次有給休暇が付与される要件としての出勤率の算定に当たって、全労働日と出勤日の取扱いは次によることとされています。

  • (1)全労働日
    次の日は全労働日から除外する日として取り扱われます。
    • ①使用者側に起因する経営、管理上の障害による休業日(H25.7.10基発0710第3号)
    • ②労使いずれの責にも帰すべからざる不可抗力的事由による休業(H25.7.10基発0710第3号)
    • ③争議行為としてのロックアウト期間
    • ④正当なストライキその他の正当な争議行為により労務の提供が行われなかった日(H25.7.10基発0710第3号)
    • ⑤所定休日に働いた日
  • (2)出勤日
    次の日は出勤日として取り扱われます。
    • ①遅刻、早退日
    • ②業務上の傷病により療養のため休業した期間(労基法39⑧)
    • ③育介法に規定する育児休業又は介護休業をした期間(労基法39⑧)
    • ④産前産後休業(労基法39⑧)
    • ⑤裁判所の判決により解雇が無効と確定した場合や、労働委員会による救済命令を受けて会社が解雇の取消しを行った場合の解雇日から復職日までの不就労日のように、労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日(H25.7.10基発0710第3号)
    • ⑥年次有給休暇を取得した日(S22.9.13基発17)
  • (3)労使間の決定するところによるもの
    • ①就業規則で定められて慶弔休暇等
    • ②生理休暇
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